本学教員の推薦するDVD 『ER 緊急救命室Ⅰ~Ⅵ』
「明日も生きていける、明日も生きてみよう」
One Purpose(No.133)
お元気ですか。京都もめっきり朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。そちらはもう雪景色かもしれませんね。ERのクリ スマスエピソード、毎回とても楽しみにしているのだけど、シカゴの真冬って本当に寒そう。でも、コートの襟元にクリスマス用のブローチなんかをつけて、暖 かそうな帽子とブーツできめて街を歩いてみたいな。
実は、そのERを皆さんに紹介することになりました。どうしたらいいのよね。94年にアメリカで始まっ た医療ドラマで、クライトン&スピルバーグの超大物コンビがプロデュース、エミー賞を総ナメにするほどの質と人気を誇り、そのリアルさは医学論文で取り上 げられるほど、ダグことジョージ・クルーニーはコレでブレイク、現在Ⅸシーズンに突入、サリー・フィールドら有名ゲストも多数出演、能書きはこれでひとま ずOK?
大学の先生としては、教育的配慮も必要かしら。医療に直結することだけでなく、麻薬、銃、暴力、虐待、 過労死、自殺、偏見、差別、介護、離婚、家族の問題、こうして並べると、ERがいかに社会的なメッセージ性を色濃く持っているかを実感します。看護師のス トが引き起こした輸血ミスや、人件費削減のために解雇を迫られるキャロルの苦悩なんて、講義中しゃべるのに疲れたら見せたくなってしまうもの。そうそう、 ルーシーが統合失調症の患者に殺されるエピソードがあったでしょう?それをNHKが突然放送中止にしたので、随分と物議をかもしたということもありまし た。つい最近のことです。
ドラマだと分かっていても、登場人物にはどっぷり感情移入してしまう。特に女性陣。どれだけ深刻な状況 でも、生きることに潔く、懸命に立ち向かう姿に励まされる人はきっと多いと思う。エリザベスのような大人の女性に憧れるけど、まだまだ修業が足りないって 言われそうね。浮かんでくるのは、救急搬入口や屋上、シカゴ川の川縁、高架鉄道の駅で交わされた会話の数々。誰かが苦しんでいれば、誰かが必ずそれに気づ いて、さりげなく声をかけて。仲間っていいな。ERに行けば、必ず誰か仲間がいる。「ここが私の家。」っていう台詞があったけど、本当にそういう感覚があ るのかもしれないね。私の仕事は孤独の要素が強いから、何だかとても羨ましくて。
心に残る台詞や場面は数え切れないけど、思いつくまま挙げてみようか。「ピーター・ベントンはそんなに やわじゃないでしょう?」ジェニーのあふれる気持ちが優しい言葉。そのジェニーにケリーがかけた「辞めないでくれてよかった。あなたが救える患者は大勢い るの。」ルカに「私は特別かと思っていた。」ってさらっと言っちゃうのはいかにもキャロルらしい。日本語吹替から英語に切り替えて、こういう表現になるの かって確認するのも楽しいね。でもこれじゃ、本当にただのフリークだわ。そんなこと「言われなくても分かっていた」?
ERのロケ地を案内してくれる約束、忘れないでよ。キャロルとルカになりきって、カブスのスタジアムでホットドッグを食べるんだから。で、ユニオンステーションからフェニックス行きのアムトラックに乗るの。グリーンのマフラー巻いて、Bye!ってね。